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KDX流サービスチーム

バックオフィス業務の改善を積み重ね、従来の3倍の業務処理を実現

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バックオフィス業務の改善を積み重ね、従来の3倍の業務処理を実現

KADOKAWAグループにおける請求書の発行・送付、外部サービスの契約・解約、機器の購入・廃棄、ドメイン管理などのバックオフィス業務を担うのが「CBM(Cloud Business Management)」チームだ。

2019年4月、KADOKAWA Connected(以下略称KDX)設立に伴いKADOKAWAグループのバックオフィス業務を担うことになったCBMチームは、それまで属人化していた業務プロセスの標準化や、ムリ・ムダ・ムラの解消に取り組むことで、3年間で以前の3倍の業務量を処理できるようになった。

なぜこれほどの改善を実現できたのか。KDX設立当初からCBMチームで活躍する吉田香、内山藍、福田麻理に話を聞いた。

増大する業務量に対応するため、属人化していた業務の標準化を推進

元々ドワンゴでバックオフィス業務を担ってきたCBMチームは、KADOKAWAグループ、およびエンターテインメント産業に従事している人の働き方を改革し、生産性、品質向上を加速させる"DX推進”のため誕生したKDXの設立に伴い、グループのバックオフィス業務を担うこととなった。
大幅に増える業務に対応するため、課題となったのが業務プロセスの標準化だ。それまでは決まった手順がなく、同じ業務でも担当者によって手順が異なっていたり、業務によっては特定の担当者にしか対応できないような状況があった。そこで、業務効率を高めるとともに、誰にでもオペレーションができるようにするための標準化に取り組んだ。

吉田:

一つひとつの業務を担当者へのヒアリングを基に可視化して手順書を作成し、チーム内で共有して意見を出し合い、ムリ・ムダ・ムラを省く作業を進めることで手順をブラッシュアップし、標準化を進めていきました。また標準化に当たっては、経理やエンジニア部門など関係する他チームとも連携を取り、お互いに納得できる運用方法をすり合わせるようにしました。

福田:

私は建付けの設計や手順作成を担うアーキテクトやエンジニアの立場で、オペレーターが日々業務を行う上で困ることのないように、また誰でも一定の業務ができることを心がけながら、手順化を進めていきました。

当時3人で取り組んだものの1つに、オペレーターの内山が1人で担っていた売上報告や他社への請求業務の標準化がある。

内山:

私が普段行っている一つひとつの業務について、その理由・目的は何か、本当に必要なのか、また誰にでもできるようにするにはどう整理すればよいか、といったことを3人で話し合いしました。普段感覚的に処理している業務を言語化して手順化するのは、なかなか大変でしたね。

例えば、請求書発行の流れは会社としてのルールができていたが、請求金額の元となる情報を、いつ誰にどのように確認して確定させるか、についての決まりはなかった。そのため内山は、「そろそろ請求書の締め切りですよ」と関係者に声かけをしながら情報を集め、後続の処理がつかえないような工夫をしていた。こうした何げなく行っていた行為を一つひとつ整理し、「いつまでに情報を送れば、その情報を基に処理する」といった形にルール化し、チームの誰でも対応できるように標準化を進めていった。

日々の地道な改善の取り組みが、3年で3倍の業務量をこなせるチームに

標準化に加え、CBMチームが日々取り組んできたのが、業務のムリ・ムダ・ムラをなくす改善の地道な積み重ねだ。これまでの取り組みで属人化はほぼ解消されたが、業務手順については常に見直しを行い、更新している。

業務改善の〝核〟となっているのが、毎週行われている「KPT」と呼ばれる振り返りの場だ。継続すべきこと(Keep)、改善すべきこと(Problem)、挑戦すべきこと(Try)について話し合い、業務(サービス)をブラッシュアップしていく、KDXで取り入れているフレームワークである。CBMチームはこのKPTにおいて、メンバー全員から上がってくる困りごと(Problem)について、全員で解消策(Try)を検討し、内容によっては他チームの協力も仰ぎながら改善に取り組んでいる。

内山:

メンバーは日々の業務で気づいたことを書き留めておき、KPTに臨みます。KPTは1時間ですが、早く終わることはほとんどなく、時間が足りずに翌週に持ち越すこともあるほど、活発な意見交換が行われています。カジュアルな雰囲気で話がしやすく、他のメンバーの意見から気づきを得ることも多くあります。

福田:

CBMチームには、基本的に黙々と仕事をするメンバーはいませんね。何か気づいたことがあれば、必ず情報を挙げるということが、この仕事を通じて染みついているのかもしれません。

活発な意見交換が行われる背景には、次のような工夫と配慮があった。

吉田:

問題を指摘する際は、人を責めるのではなく、起きた事象や、その原因となった仕組みに注目するようにしています。そのため、何かトラブルが起きても隠すことなくオープンにしやすいのだと思います。当初はそのような運営は難しかったですが、上司が「ヒトではなくコトの話をしよう」とアドバイスし続けてくれたおかげで、いつの間にかメンバーの間に、この考え方が浸透しました。

提供するサービスをより良いものにしていくため、KPTを軸とした改善の地道な取り組みを積み重ねたことが、結果として「3年間で3倍の業務量」に結びついた、と3人は振り返る。

チームの自律的な改善を生み出すKDX流の「ロール」

業務改善がうまく進んだ1つの理由として3人が挙げるのは、KDXが導入している「ロール(役割)」の存在だ。KDXでは業務(サービス)ごとにチーム分けした「サービスチーム」を導入しており、チームの各メンバーはアサインされたロールの職責を担いながら、チームとしてサービスの継続的な改善を行う。例えば、吉田はスクラムマスター、サービスオーナー、アーキテクト、エンジニア、内山はオペレーター、福田はサービスオーナー、アーキテクト、エンジニア、オペレーターをそれぞれ担っている。

もしサービスでトラブルが起きた場合、まずオペレーターがそれをサービスの責任者であるサービスオーナーに報告する。報告を受けたサービスオーナーは、サービスとしてどのような対応を取るべきかを判断し、必要があればアーキテクトやエンジニアが手順を変更し、手順書を更新する。そして、スクラムマスターは各タスク進捗の管理を担う。こうした役割分担が浸透しているため、サービスを提供しながら、同時に改善を進めていくことができる。

吉田:

ロールという形で各自の役割分担が明確なので、自分がすべきことがわかりやすいですし、チーム全員でサービスを運営していくという考え方なので、常にチームで改善を進めていくことができます。サービスの改善に関することは基本的には現場の判断で行えるため、現場では常に〝自浄作用〟が働いているように感じます。

福田:

また、1人のメンバーが複数のロールにまたがっていたり、同じロールを複数のメンバーで担当しているため、自分では判断に迷うような時に他のメンバーと相談しながら対応できるのも、この仕組みの良いところだと思います。

KDXのValue(行動指針)を体現するCBMチーム

3人は仕事に対するやりがいについて、次のように感じている。

福田:

サービスの時間がかかっていた部分を、ムリ・ムダ・ムラの解消によって効率よくできるようにしたり、1つの業務を標準化によってメンバー間で共有できるようにするところにやりがいを感じます。

内山:

利用者に一番近い立場なので大変な面もありますが、利用者の声を聞き、サービスに反映することで「ありがとう」と言ってもらえると、やりがいを実感できます。

吉田:

利用者のニーズに応えられるように、サービスオーナーとしてサービスの改善ポイントを決めたり、アーキテクトとして仕組みを考え、それをチームのメンバーや関係者と協力して実行する。その結果、誰かの困りごとが解決した時はうれしいですね。

KDXでは「KADOKAWA Connected Standard」というValue(行動指針)を掲げている。「最大公約数を見出す」「創造性と責任のバランス」「相手を理解する」「顧客もチームの一員と考える」「自分への挑戦状を持つ」の5つで構成される。常に利用者(顧客)にとっての価値を考え、対話を通じて理解を深めながら課題解決に取り組み、その過程で自己成長にも取り組むCBMチームの姿は、まさに「KADOKAWA Connected Standard」を体現しているといえるだろう。

しかし吉田・内山・福田の3名は、そんなすごいことをしたつもりはない、と口を揃えて言う。

「CBMは専門知識や技術力はありません。ただ、会社が推奨する手法や仕組み=KPT、サービス型の働き方を取り入れて協力することで、微力ながら誰かの役に立つことができます。そして会社がその地道な活動や取り組みを評価してくれる点はやりがいに繋がっていますし会社の魅力の1つだと思います。」

最後に、3名にKDXで活躍できる人材像について聞いた。

福田:

KDXは様々な業務に取り組む会社ですが、多様な仕事を楽しみたいと思える方には向いていると思います。

内山:

何げなく仕事をする人よりも、なぜそれをやりたいのか、やっているのか、という仕事の目的を論理的に整理して答えられるような人、また周りに配慮しながら自分の仕事ができる人が適していると思います。

吉田:

複数のサービスやロールがあるので、自分の得意なことを活かして仕事ができる会社ではないかと思います。関係者と協力してゴールに向かっていける人、より良い方法はないかと常に考え続けられる人にとっては、働きやすく活躍できる環境があると思います。

TEXT:増田忠英
イラスト:かんべみのり

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新卒採用 中途採用

PROFILE

Biz Management部 CBM(Cloud Business Management)課
吉田 香
2010年10月ドワンゴ入社、2020年01月KADOKAWA Connected転籍。CBM(Cloud Business Management)課の一員としてサービスオーナー、スクラムマスタ、アーキテクト、エンジニア、オペレーターの業務を担う。主にCBMサービス全体のQCDを守るための活動や業務改善に取り組んでいる。

Biz Management部 CBM(Cloud Business Management)課
福田 麻理
2016年10月ドワンゴ入社、2020年01月KADOKAWA Connected転籍。CBM(Cloud Business Management)課の一員としてサービスオーナー、アーキテクト、エンジニア、オペレーターの業務を担う。オペレーターとして契約購買、計上関連などを担当しながら、CBMサービス全体の業務改善に取り組んでいる。

Biz Management部 CBM(Cloud Business Management)課
内山藍
2010年8月 ドワンゴ入社。2020年7月KADOKAWA Connected転籍。CBM(Cloud Business Management)課の一員としてオペレーターの業務を担う。主に契約購買、計上、SSL/ドメイン関連の業務を行い、オペレーター目線での業務改善提案に取り組んでいる。

※所属部署・役職名等の情報は2024年2月時点のものです

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